コラム

2021年9月18日

「この紙は植林木でつくりました」はエコ?

紙製品や紙パッケージなどで「この紙は植林木でつくりました」そんな表示のある紙製品を見かけることもあります。

この表現に、自然の森の木を切って使うよりは環境に優しいというイメージを持つ人もいるでしょう。

ところが、日本に多くの紙製品を輸出する国のひとつ、インドネシアでは、長年にわたり、紙の原料となる木を「植林するために、豊かな熱帯の森が広く失われてきました。

こうした地域では、今では絶滅危惧種となってしまったトラやゾウに象徴される森の生態系が損なわれただけでなく、先住民族や地域住民の権利侵害も報告されています。

2020年に発表された国連食糧農業機関(FAO)によれば、2015年から2020年の間に消失した森林は1000万ヘクタール、これは東京都の約45倍もの広さです。この一方で、植林や自然再生により増加した森林があることも報告されています。

しかし産業用に植林された人工林は、特に自然の森との比較では大きく環境が異なり、また一般的に消失した森林とそこに存在した生態系をもとの状態に戻すには長い年月がかかります。こうした理由から、安易に森林の減少面積と増加面積を相殺することは、本来直視すべき森林減少の現実を過少に評価することにつながりかねません。

また森林が失われる要因は地域によりさまざま異なりますが、製紙原料の生産がその要因の一つとなっている地域があることも事実であり、日本企業や日本の消費とも無関係ではありません。

2019年に、日本に輸入されたコピー用紙の63%は、このような問題が起きているインドネシア産でした。
材料を輸入して日本国内で製造された紙の分も含めると、インドネシア由来のコピー用紙の割合は23%となり、市場全体では4枚から5枚に1枚がインドネシア産ということになります。
またティッシュやトイレットペーパー類でも、輸入量の24%がインドネシア産。さらにインドネシアの最大の木材輸出国である、中国から日本への輸入比率は61%で、近年増加の傾向にあります。

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